2月なので、ミモザ

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近所ですんごい花開いているミモザを見つけました。

都心の駅前でよく見かけるaoyama flower market は可愛いけど高いので、いつも眺めるだけで通り過ぎます。

こちらのミモザは、商店街にある小さなお花屋さんでたまたま見つけて、大きいわりに安かったのでどれにしようか選んでいたら店員さんが店頭に並んでいるのとは別のさらにフっサフっサしたのを持ってきてくれました(本当はつぼみが残ってるのを買って、開くのを楽しみにしようと思っていたんだけど、せっかく薦めてもらったので)。

飾ってみたらまあデカくて立派♡

しばらくこの状態で楽しんだら、どこか風通しの良いところにぶら下げてドライフラワーにしようと思います。



ところで十二国記を完読しました!

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/12
  • メディア: 文庫

作者急病のためずっと続巻が出てなかったのですけど、昨年秋に18年ぶりに描き下ろしの文庫が4巻連続で発売されました。

本編はおそらくこれで完結のようです。

タイトルの通り内容は12の国の歴史物語なので、「歴史」だから続けようと思えばいつまでも続けられるし、逆に終わらせようと思えばスパッと終わらせられるため融通がきくんだなあと思ったり。

でもこれで終わりだと思うと、もの悲しい気がします。


自分の中で読みながら盛り上がれたかと言われると、「そうでもない」というのが正直な感想なのですが、日本のハイファンタジーの中ではやはり1位2位を争うんじゃないでしょうか。

そのくらい深く掘り下げられた設定には魅力を感じますし、特に空想上の生き物である“麒麟”は私にとってはすごく面白かったですね。

十二国記の世界は、民主主義国家の代わりに“麒麟”と呼ばれる聖なる生き物が国民の中から王を選出するという設定なんですけど、この特異な形態が故に問題や争いが起こることもあり、物語最後の舞台であった“泰”国がその典型でした。


薄らネタバレすると、王位を簒奪された王が麒麟と共に玉座を取り戻す物語なんですけど、リアルだなあと思ったのは、戦いの後にそこそこ主要な人物であった数人が全く行方知れずで、どこかで死んでしまったのかも、生きのびて潜んでいるのかも、わからないような状態で話が終わってしまうところです。

何の音沙汰もないということは、きっと戦いの最中で命を落としているのだろうということはわかっているのだけど、死体も出てこないので、生き残って無事に帰ってきた人たちは、皆心のどこかにやりきれない気持ちを抱えています。

城の南で戦って 郭の北で死んだのさ

野たれ死にしてそのまんま あとは烏が喰らうだけ

戦いの中に身を置く兵士たちの中で流行った歌。

なんともなしに口ずさんでいるのだけど、残酷な現実をそのまま歌った歌詞に、自分たちの死をおどけ飛ばすような自棄を感じる気がする。

同時にこの歌は、生きるとか死ぬとかって、誰にも平等にこういうもんだっていう真実を表現しているんだろうなあ。



あと、心に残ったのは、謀反を起こした阿選というキャラクターのこと。

阿選が王を裏切ったのは、もともと王と阿選のいずれかが次王になるだろうと噂されていて、その戦いに彼が負けたからなのです。

ただ、阿選は自分が王になれなかったことが悔しかったとか、王を憎んでいるとか、そういうことよりも、ある種の強迫観念を抱いていて、それに圧されるようなかたちで謀反に走ってしまったような印象を受ける。

もともと王も阿選もとても優秀な武将だったのだけど、2人が兵士たちの中で突出して優秀だったがゆえに常に周囲から比べられ、少しでも王に劣ると必要以上に貶められるという状況が阿選にとっては徐々に苦しいことになっていたんですね。

憎み合っていたわけではなかったし、むしろ好敵手として認め合っていたはずなのに、あることをきっかけに阿選は自分が「義を重んじて自己に恥じない戦いをするかどうか(兵士の本分)」ではなく、「いかに王よりも良い戦果を残すか」ということが目的になってしまっていることに気づいて、己を強烈に恥じた、という描写があります。

その恥辱が、いつしか王への憎悪に変化してしまい、それが謀反に繋がるというわけです。

阿選が恐れたことは、どんなに努力しても叶わない相手(王)の影になってしまうということ。

いつか王にとって、自分が取るに足らない人間になってしまうだろうということだったのです。


私は、この阿選の心情描写がいじらしくて人間らしいと思って、結構好きでした。

王に叶いっこないことは本心ではわかっているんだけど、自棄になって謀反を起こし、自ら破滅に向かっていく阿選は、果たして根っからの悪なんだろうか。

彼の最期は描かれませんでしたけど、歴史上にはこういう著名人は実際にも結構いたのかもしれないなあなんて思いました。


さてさて、次は何を読もうかな。