我々は戦いに行くのか否か

さて、今度の週末に姉・義兄・夫と一緒に父方の祖父母宅に行きます。

私が苦手な祖母がいる家です。

感情的な内容で今更参照されるのも恥ずかしいためリンクは貼りませんが、過去にも祖母について書いたことがあります。


ざっくり説明すると、新興宗教(私はカルトだと思ってます)の熱心な信者で、自分一人でやってるなら良いのですが、身内を宗教で束縛して繋ぎとめようとするタイプの人です。

泣き落としで責めてくるので、すごく辟易するんですね。

それで、大人になってからはずっと距離を置いていたんですけど、今回数年ぶりに会いに行くことになりました。



というのも、私も姉も昨年のほとんど同時期くらいに結婚して、その報告を祖父母に直接してないんですよね。

正直私は父母から言ってもらえばいいや・・くらい消極的に考えていたんですけど、姉が義兄の祖父母宅に行った時に思うところがあったようで(義兄が、すごく祖父母を大事にする人なのです)、「数時間、顔見せるだけで良いから行かない?」と言ってきたのでした。

私も気にかかってはいたので、姉が行くなら「行くよ」と返事をしました。

夫も快諾してくれました。



姉も私と同じく、祖父母が何か変なことを言いやしないか心配していると思います。

姉は義兄にもちゃんと事情は話していて、幸い義兄は根っから明るい人なので軽やかにキャッチ&スルーしてくれたそうです。


アポは姉から祖母に電話して取ってくれたそうなのですが、「(祖父母のことを)忘れたかと思ったよ!」と言われたそうです。

冗談でしょうけど、来ないな~とは思われていたんだろうな。



私の仄暗い部分をここで告白しますが。

正直言って、近くに住んでいるのに全く孫が訪ねてこないことで、それなりに色々なことを自覚すればいい、思い知ればいいと思っていました。

他にも孫はたくさんいるのでそんなに寂しくはないだろうけど、それでも一部の孫がまったく来ないことで不穏な気持ちにはなるだろうなと思っていました。

そうなればいいと、ちょっと思っていました。



父も母もここまで、直接報告に行けとは一切言ってきませんでした。

お互いはっきりは言いませんが、私たちが祖父母のことを敬遠したがっているのはわかっているのだと思います。

だから、今回「行くよ」と伝えたら、両親ともずいぶん喜んでいました。


そして先日、家族水入らずでご飯を食べに行った時に、父から言われました。

祖母から直接父に電話があったようで、私たちへの伝言として「○○(某新興宗教)のことは一切言わないから安心して来て」と自ら言ってきたそうです。

それを聞いて、ああ祖母も私たちが嫌がっているのやっぱりわかってたんだ、と思いました。


父には「だからお前たちも余計なこと言うなよ」と言われたんですけど、そんなことは私たちが一番よくわかってます。

この何十年、どんなに気が進まなくても、嫌でも、ずっと祖母に黙ってきました。

父は、自分の実母(祖母)が傷つかないことを第一に考えていて、私たちが何か迷惑被ったり傷ついたりすることはそんなに気にしていないのかもしれません。

まあ、祖母の方が弱い人だと思うし、私たちはどうとでもなるから、言い換えれば私たちは信用されているということなのかもしれないけど。

父にはもう特にしてほしいことはないので別にいいです(できれば子供の頃にもっと間に立って欲しかったとか、結婚当時に母を守って欲しかったとかはありますけど今更です)。



祖父母に残された時間はあとわずかだと思うので、たぶん、私たちと祖父母はお互いに本当の気持ちを一切伝え合わずに終わるのだと思います。

相手はお年寄りだし、今更傷つけるようなことを言ってもしょうがないです。


信教の自由は憲法でも全国民に保障されていて、何人たりとも侵せない権利であるはずですが、家庭内にはこの自由がない場合がほとんどであることを私は知っています。

家庭は社会の縮図だと思うけど、だからこそ、個々人を尊重しなければ健全な社会は成り立たないと思うのだけど、祖父母はやはり古い人でもあるから、子供やその嫁、孫達は皆自分に属するものだと思って疑わないのかもしれません。

祖母が、自分が最も良いと思ったものを子供達にも全部あげたいと思っているだけだということはわかっていました。

その気持ち自体は、本当にありがたいと思っているんです。

でも受け取れないものもあるし、何を受け取るかを選ぶ権利も、子供達にはあると思います。

それを認めてくれないのなら、距離を取るしかありません。


・・・と、ここまでずっと思っていたんだけど、その祖母の口から「宗教の話は一切しないから」という言葉が出てきたことは、意外だと思う反面、やっぱりわかっていたんだなあとも思いました。

子供には子供の、孫には孫の人生があること。

それぞれの思想や信念があること。

そのことが、ようやっと80歳を超えてわかってきたのかなと。


母が言っていたんです。

「ばあちゃん(義母)は変わった。無理強いしちゃダメなんだとわかったんだと思う」

一番被害にあっていた母が言うのだから、そうなのだろうとは思っていたけれど。

その歳で変われるのはすごいことだなと思います。



そういうわけで、少しだけ、行く前から肩の荷が下りた気がします。

私は、「言っても無駄」精神ではなく、ただ「無暗に傷つけたくない」という思いで、できれば祖母に心から優しくできれば良いと思います。

誰も間違ってないし、もうそれで良いのだと思います。