選ばれし民などどこにもいない

このご時世、ウイルスが移る・移すような行動を極力避けることは大事だし自制ができることも立派だと思うけど、だからと言って外で他人に出くわすこと自体を恐れてその都度精神に負荷をかけていては、あっという間に心が病むだろうな、と。

仕事も含め必要な用事で出かけたら、気をつけていても人が集まるところに行ってしまうことはあるだろうし。

そういう時に、すぐに帰宅して手洗いうがいしてシャワーでも浴びて自分が安心できるような措置を取れるような人はいいですけど、そうできない人の方が大半です。

だから、普段の会話でもネット上でも、あまり「私は気をつけてます!」「これだけ予防しています!」と言い過ぎるのは控えるべきじゃないかなと思います(あくまで言い過ぎるのは、です。参考になる部分もあるので)。

きちんと予防できている人はきっと何の悪気も無く発言しているんだろうけど、どうしても外部との接触を絶てない場合、自分はそこまで出来ていない・出来ないことに不安を抱く人もいると思うんです。

自分の体と心、家族のことを守るのもすごく大事なことですが、そのあたりのことをもう少し慮って、慎んだ行動ができる人は黙って慎めば良いと思います。


というのは、中途半端な立ち位置の私が言うことですが。

私は、明日から1カ月間週1勤務になります。夫はたぶん週3くらい。

関係業者の方は、職場から勤務日数を週2~3くらいに減らせと言われたそうですが、休みの分は有給で消化しろと言われたそうです。

当事者の方は「こんなことで有休使いたくないよ・・」と言っていました。そりゃそうだ。


そんな話を聞いていると、中には完全に無給になる人もいるだろうし、解雇されてしまう人もいるだろうなと思いました。

本気で明日からの生活が立ちゆかない人もいると思う。

そういう実感が、私にも、やっと沸きました。


だから、ちょっと言い辛いですが「私はこんなに気をつけている」「こんなに予防している」とみなまで言える人は、きっと外に出て働かなければならない大半の人たちのリアルな声が聞こえる場所に居ないんだろうなと思いました。

あらゆるケースで往々にして誰にでもあることですが、聞こえないから、思い至らない、だから言える。

もちろん発言の権利があるのでどこで何を言おうが自由なんだけど、いろんな人がいるのだということにいつもより少しだけ心を配るようにできれば、そういう人たちも「黙って慎む」という結論になるんじゃないかな。



あと、余談ですけど「水商売の人の損失を自分が払った税金で補償をしたくない」と発言した松ちゃん。

世の中に大きな影響を与え得る人が、ずいぶん酷いこと言うなと思いました。

水商売の人は自分でそういう職業選んだんだから野垂れ死んでも自己責任ということでしょうか(でもあなた、平時には散々そういう店でいろんなサービスを受けてきたはずですよね)。

だったら、人気商売のご自分も大暴落して財産も使い果たしてホームレスになっても生活保護受けずに野垂れ死ぬことを自己責任として受け入れますね?

そんなこと絶対あり得ないと思ってるからそういうことを言うんだろけど。

人間が冷たいと思います。


こういうことをまるで正しいことのようにメディアで堂々と言う人がいるのって由々しき問題だよなあ。

だから、政府が滅私して公人として税金を管理し、国民全員が最低限度の生活ができるように采配するシステムになってるんだと思うよ。

民主主義国家って本来そういうもの(今機能してないけど)。


松ちゃんに限らず自己責任論を全面的に押し出す人たちは、言い換えれば選民思想が強めであり、その中で自分は選ばれし民だと思って疑わないのでしょうね。

今、まさにそれが間違いだと自覚すべき時期だと思います。選ばれてる人なんてどこにもいないから。

志村けんさんが亡くなったように、疫病は地位も名誉も関係なく無差別に襲いかかってくるものだから。

どんなに手厚い看護を受けられても死に至る可能性がある病ということだから。


前にも書いたけど、それぞれの事情を踏まえてできる限りの自粛をする。

生活に困窮する人がいるなら、税金から補塡する。


それを、あの人はそれほど我慢していないのに、私はこんなに我慢している、とか。

あの人よりも税金を払っているのに、自分に戻ってくるお金は少ない、とか。

高所得者ほどとられる税金が多いのが不満と言うなら、1人でも多くの人がきちんと政治参加するよう呼びかけて、税金の徴収の仕方や使われ方にもっと国民が関与できるよう働きかける努力をすればいいと思う。

松ちゃんほどの著名人ならそれができるでしょ。

そういう損得勘定してたら、いろんな意味で生き残れる人は一握りになっちゃうのに、いつまでそんなこと言ってるんだろう。

そうまでして選ばれし民になりたいの?



うーん、私もつい嫌味・否定的な発言が多くなってしまいますね。反省。

批判は必要と思いますが、必要以上に鬱々しないようにしたい。