平和とは秩序の静けさ

そう言っていたのは神学者アウグスティヌスだっただろうか。


今、世の中は決して平和ではないんだけど、我が家、もとい夫と私の間には、これまでとは少し種類が違う平和な空気が流れている気がする。

夫が激務から解放されたというのも原因のひとつだとは思うけど、同時にテレワークが始まって格段に同じ空間で過ごす時間が増えたので、それはそれでお互い気を遣うし、神経をすり減らしている部分もある。

家で食事をするとなると、朝が済んでも、昼は、夜はどうしよう、と、ずっとご飯のことを考えているのも少し憂鬱に思ったりもする。

それでも私は、この緊急事態で信頼のおけるパートナーがいつも近くにいるという状況に、自分の心がこれ以上ない安寧に包まれていると感じる。

夫は生活のスタイルが変わったことを気負うこともなく、必要以上に神経質にもならず、いつもと変わらない。その落ち着きが私にも伝染する。

ものすごく助かっている、と、改めて思う。


夫は基本的には平和な人だと思う。

もともと根暗気味なので(私もだけど)人間関係がうまくいかなかったりする経験は人並みにあるようだし、いつもストレスフルな環境で仕事をしているから嫌なことも度々あるようなのだが、それを家に持ち帰ってくることがない。

正確には、ちょっと落ち込んでたり疲れていたりしている時はもちろんあるけど、無暗にイライラして人に当たったりしない。

そもそも私は彼がイライラしているのを見たことがない。

夫の中の秩序には乱れがない。


何でこの人は私に強く当たったりしないんだろう、と思う。

家族だから甘えたい時もあるだろうに、自分の中でグッと堪えて消化して、いつも安定した態度で接してくれる。

そういうのを見るたびに、ああ、恐れ多い、と思う。

夫に対して可笑しな感覚かもしれないが、私は時々、夫に手を合わせられると思う時がある。

そのくらい彼の持つ「秩序の静けさ」が尊い


この生活は不安も多いけれど、ちょうど良い温度のぬるま湯のようで、いつまでも浸かっていたいなと思ったりもする。

毎日向き合ってご飯を食べて、一緒に寝て、週末はテレビを見て笑う。たまに一人の時間もある(これも重要・・笑)。

夫の包含する平和が傍にあると、それだけで私は幸せだ。





そんな風に過ごしていたのだけど、先日、生理が1週間も遅れるというプチ事件が起こった。

焦った。

できているはずがないと思いながらも、100%はないから、どうしよう、と思った。

5日目くらいには、もしもできていたら、産まれるのは来年のいつ頃かとか、仕事ができなくなるのはいつ頃かとか、この辺りだと産院はどこになるのかとか、結婚式も新婚旅行もできなかったなとか、お酒やめなきゃいけないのかとか、珈琲も生物も控えなきゃダメなのかとか、里帰りはしたくないから計画分娩になるのか? とか、少しずつ具体的なことを考え出していた。

母親になんかなれないよ。嫌だ。無理。だって私がまだ子供みたいだし。

そう思っていたし、今も思ってるけど、「もしもできていたら」という状態をリアルに感じたら、自然と「これからどうするか」に意識をシフトしてる自分がいた。

だから、この先想定外(そうならないように気を付けるけど)にそういうことが起きたとしても、私はたぶん上手く方向転換できるのかもしれない。


そうして不安と共に1週間を過ごしてやっと生理が来たその日に、黙っていてもいいかとも思ったけど、夫にこのことは話した。

今日は呑んでやるぜい、と、これ見よがしに呑みまくりながら話した。

夫は私よりもずっと精神が安定しているし、きちんと説明すればわかってくれて、いろんな準備も心づもりも一緒にして出来うる限り気にかけて助けてくれると思う。

それでも私は不安なのだ。

著しく変わるのは、女の精神と身体だけ。その変化についていけるのかどうか。手放しに喜んで母になりたいと思える女ばかりではない。でもいつかは大切な人との間に家族が欲しいとも思っている。だったら産むのは自分しかいない。覚悟が決まらない。すでにそんなに若くもない。そういうジレンマを抱えている人は、きっと私だけではないと思う。


プレッシャーかもなと思いながらも、「お願いだから子供から信頼される父親になってね(できてなかったけど)」と言った。

子供にとって思う存分甘えて、頼れる父親でいてくれたら、私はきっとこの先も夫のことを好きでいられると思う。

逆に、夫が父親として子供を無下にすることがあったなら、私の気持ちは夫から離れていくだろう。

理想的な父親になってよ、と言うのは、あまりに酷だろうか。

根深いファザーコンプレックスを自分の中に感じる。


「こういうことも絶対ないわけじゃないんだよ」

つくる気がなくてもできることはある、ということは、夫にも実感として知っておいて欲しかった。


若くはないから、そう悠長にかまえてはいられないんだろうけど、腹をくくれてない。

だからまだそういうのは先になるだろうなと思いつつも、そう遠くない未来にしておきたいとも思う。

「いつまでも若いと思わないでね」
「私が出産と同時に死んでも貴方が子供を育て上げてくれるというなら、5年10年先でもいいけど」

と言ったら、「それはちょっと」と言って苦笑していた。

そういう意地悪をちょいちょい挟んでしまうのが、私の器の小ささだな。


 

生理が遅れた訳は、うーん、わかんないけど、やはり生活習慣が変わったことへのストレスはあったのかなと思う。

それでホルモンバランスが崩れたのかなあ。いつもはわりと正しい周期で来るし、1週間遅れは記憶の限りでは初めてだったのでビビった。

精神を病んだりとかはしないけど、ちょっと環境が変わるとわりと体に出るタイプなのだ。

そんな話をしていたら、夫が「わかる」と言った(えっ)。

「俺も鬱とかにはならないとけどすぐお腹壊す」

だそうです。初耳だなあ。

私は、「OPP(お腹ピーピー)も辛いよね」と言いました。



いつもありがとう夫。一緒にいてくれて。

この生活をしていて改めて気づいた。貴方がいると、楽に呼吸ができる気がします。

以上、本人に言えよ的な心の内を吐露してみました。就寝。


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(今日は絶対ミスドだと思ってた)

お題「#おうち時間