![ゲーム・オブ・スローンズ コンプリート・シリーズ (初回限定版) [Blu-ray] ゲーム・オブ・スローンズ コンプリート・シリーズ (初回限定版) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51ESocpnTSL._SL160_.jpg)
ゲーム・オブ・スローンズ コンプリート・シリーズ (初回限定版) [Blu-ray]
- 発売日: 2019/12/04
- メディア: Blu-ray
Amazonプライムとhuluで配信されている海外ドラマ「ゲームオブスローンズ」を見終わりました。
「ゲームオブスローンズ」とは「玉座の争奪戦」という意味で、舞台である架空世界・ウェスタロス(七王国から成る)を治める「鉄の玉座」にどの国の誰が座るか?というのが物語の専らの内容です。
「ロードオブザリングが好きならきっと好きだよ」と薦められて見始めたのだけど、正直なところシーズン1くらいまでは頑張って見ないと辛い。
何故ならなかなか面白くならないから(笑)
完全に尻上がりな物語だと思うのだけど、ロードオブザリングよりも現実味が強く、政治的な小競り合いが多く含まれていたところが私としては好印象でした。
作中では、架空世界における諸侯の中でも特に有力な4つの名家にスポットライトが当たっています。
ターガリエン家(竜)、バラシオン家(鹿)、ラニスター家(獅子)、スターク家(大狼)。
※()内は、各家のシンボル
主役級の家族はスターク家で、両親、長男、次男、長女、次女、三男、四男の8人家族なのですが、次男であるジョン・スノウが所謂腹違いで、作中では「落とし子(正妻の子ではない子供)」と呼ばれて蔑まれています。
おそらく、最終的にはこの次男が主人公ということで良いのだろうと思います。
そんなスターク家が、他家同士の玉座争いに翻弄されていく様子がとっても辛い・・・でも本当に見応えがある。
政治的要素もあるけどファンタジー要素もしっかりあるので、どういうジャンルが好きな人でも比較的楽しめるのではないかと思います。
ただ、私が結構嫌だったのは露骨な濡れ場が多かったことですかね(笑)
あと、古い政治世界を描いているから仕方ないのだけど、名家同士の多くが政略結婚であり、女が丸っきり政治の道具として使われているのがとてもよくわかるのでそれもなかなか不快でした・・・。
それだけに、何もかもを他者に決められる女の人生に反抗してわが道を行くスターク家の次女・アリアの行き方が爽快だったりするんですけどね。
最終的には、アリアとは真逆の性格だった長女・サンサも強く逞しい政治家として成長するのでそれもまた楽しいです(ふふふふ)。
先ほど、この話には政治要素とファンタジー要素がそれぞれ含まれていると言いましたが、物語の内容も七王国をまとめる玉座の争奪戦(政治)がメインではあるのですが、もう1つこの世界の未知の領域である北から迫ってくる死者の軍団という脅威(ファンタジー)の存在もあります。
玉座の取り合いのために北からの脅威への対策を怠っては国自体が滅びてしまうということで、最北端の地域を守る守人たちが起ちあがり、種族を超えて死者の軍団に立ち向かうという流れがメインテーマの中に組み込まれているのだけど、きっと後者の戦いの方が人気があったんじゃないかなあと思います。
特殊な武器でしか倒せない死者の軍団を相手にしているため、味方に魔法使いとか、ドラゴンとかが出てきても力が均衡していて面白いんですよね。
ところが後半になって政治の戦いになると、ドラゴンが強すぎて敵側がボッコボコのフルボッコにされてしまいます(それもそれで意味があったのだけど)。
ドラゴン対策の武器やら兵器やらを発明してはいるのだけど、呆気なく思えてしまう程無力でした。
普通はどっこいどっこいの戦いか、敵優勢だったのを大逆転して最後に主人公が勝利するのが王道かもしれませんが、ゲームオブスローンズはそういう展開にはなりませんでした。
正確には、主人公が付いた勢力であるターガリエン家の王女・デナーリスがドラゴンを従えて敵家であるラニスター家に大圧勝するのだけど、味方だと思っていた彼女が勝利したのにも関わらず主人公側の失望感が凄くて。
何故なら、彼女が途中からあることが原因となって怒り憎しみに囚われてしまい「それだけは絶対にしてはならない」と再三言われていた民衆の大虐殺を行うからなのですが、この点がこの物語の奥深いところだなあと思います。
デナーリスは基本的には弱者の味方で心優しい女性なのですが、自分が悪だと認めた相手に対しては物凄く非情なんですね。
それに加え、彼女は「七王国を治めるために自分は生まれてきたのだ」という非常に強い自負があるため、「自分こそが正義である」という強烈な思い込みも持ち合わせていました。
途中までは良い指導者になるように思えたのですが、終盤では側近の忠告にも耳を貸さなくなり、強大な力(ドラゴン)を持っていたがために一方的な破壊者となってしまうのです。
彼女は決して悪人ではなかったけど・・・そこが辛いところですね。
教訓のように物語を消化するのはあまり好きではないのですが、デナーリスの側近達が言っていたように、他を圧倒する強大な力を持っているからこそ、彼女は敵を含めた人々に対して慈悲を示さなければならなかったのだと思います。
でも、それが彼女には出来なかった(・・・難しいよね)。
そこで主人公がどんな行動を取るのかってところも見所です。
ちなみに原作はジョージ・R・R・マーティンの「氷と炎の歌」。
日本語版は何故かラノベっぽい表紙なので書評ではちょっと叩かれています(笑)

- 作者:ジョージ・R・R・マーティン,岡部 宏之
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
いずれ読んでみようと思います!